大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和26(あ)5157 判決

主 文

原判決中有罪の部分を破棄する。

本件公訴事実中連合国占領軍財産たる煙草所持の点につき被告人を免訴

する。

被告人を懲役六月及び罰金一万円に処する。

被告人において右罰金を完納することができないときは、金二百円を一

日に換算した期間、被告人を労役場に留置する。

第一審原審及び当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人後藤義隆の上告趣意は、憲法違反を主張するけれども、その実質は単なる

訴訟法違反の主張を出でないものであつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

職権を以て調査するに、原判決の確定した本件公訴にかかる連合国占領軍の財産

たる煙草所持に関する昭和二二年政令一六五号三条一項の罪については原判決があ

つた後に昭和二七年政令一一七号一条八三号一一七号により大赦があり、原判決は

その罪を他の有罪と認定した連合国占領軍発行のドル表示軍票収受の罪と併合罪の

関係にあるものとして処断しているから、刑訴四一一条五号、四一三条但書、四一

四条、四〇四条、三三七条三号により原判決中有罪の部分を破棄し、右大赦にかか

る罪につき被告人に対し免訴の言渡をなすべく、更に原判決の確定した前示軍票収

受の事実に法律を適用すると、右各所為はそれぞれ昭和二二年政令一六五号二条、

三条一項、昭和二四年政令三八九号附則二項但書(罰金等臨時措置法二条四条)に

該当するところ、各所為につき右政令一六五号三条二項により懲役及び罰金を併科

するを相当と認め、以上は刑法四五条前段の併合罪であるから、懲役刑については

同法四七条一〇条により犯情最も重いと認める昭和二四年七月上旬頃の三五〇ドル

位収受の罪につき定めた刑に法定の加重をなし、,罰金刑については同法四八条二

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項により合算し、その刑期及び金額の範囲内で被告人を懲役六月及び罰金壱万円に

処すべきものとし、刑法一八条により罰金不完納の場合は二百円を一日に換算した

期間被告人を労役場に留置すべく、なお刑訴一八一条により第一審、原審及び当審

における訴訟費用は被告人をして負担させるものとする。

よつて裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

この公判には検察官十蔵寺宗雄が出席した。

昭和二七年一〇月三〇日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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